ラーメン屋がマーケターを雇う日も来るかもしれない。
コロナウイルスで、急激にネット通販や、ウェブマーケティングが加速し、マーケティング職の人手不足はさらに加速した。
これからはウェブの時代だ。マーケターは、一種の花形職業になる未来もある。転職が売手市場で、ホワイトで、稼ぎやすそうな「美味しい職業、マーケター」に、人が集まってくる。業界に詳しくない人だって、そこらにいる中学生だって「これからはWEBだ」と思うだろう。マーケターは、安易に「食っていける職業」と捉えられる。
マーケターが増える。同じようなスキルをもったマーケターが量産され、陳腐化する。マーケターという職種のなかで、どうやって生き残っていくかが課題だ。
そう遠くない、マーケターの陳腐化にそなえて、生き残りの戦略を考えていこう。
マーケターは足りない。たぶん、ずっと足りない。
コロナウイルスが流行してから、マーケター職の人手不足が、さらに進んでいる。アフターコロナ時代の経営において、マーケティング部門の役割が拡大していると回答した人は72.3%に上った。

コロナウイルスで多くの企業が、ネット通販や、リードジェネレーション、デリバリーなどのDXを進めた。しかし、DXしただけでは、売れないのがお決まりだ。
ネット通販に参入した企業は、ネット通販の土台だけあっても、商品が売れないことを痛感する。地域レベルで勝負していた商品は、インターネット上では全国と張り合わないといけなくなる。
ラーメン屋が面白い例だ。ラーメンは、地域限定のグルメだった。地域レベルで、ライバル店舗と差別化できた美味しいラーメンを作ればよかった。そんなラーメン屋が、コロナウイルスによって、ネット通販やデリバリーを始めると、どうなるか。今まで地域限定で勝負していたラーメンが、ネット通販になると全国を相手に勝負することになる。強いブランド・強い差別化をしないと、有象無象の1つになってしまう。良い商品が売れるのではなく、露出が、魅せ方がうまい商品が売れるようになる。近いうち、ラーメン屋にもマーケターが求められるかもしれない。
この流れは、ラーメン屋だけではない。あらゆる企業が、さらにマーケティングの知見を求めるようになるだろう。企業は、マーケターの採用をさらに進めていく。マーケターの転職市場では、売り手市場が続くと思う。
しかし、マーケターは安心できる状況ではない。
マーケターは陳腐化する。
マーケターは、うんと増えるだろう。以前のプログラミングブームのように、人気職業になるのではないか、とわたしは勘繰っている。
マーケターは一見”美味しい職業”に見える。ホワイトカラーで、給料が高そうで、需要が高そうな職業に、見える。こういう職には、人が集まる。マーケターは珍しい職業ではなくなってくる。同じようなスキルを持つ人材がモリモリと量産されて、陳腐化していく。
それでも、人口減少と、IT化の波の方がよっぽど強く、マーケターの転職市場は、売り手市場は続く。明日の食事に、困ることはない。
重要なのは、売り手市場だからといって、報酬が高いかと言われると、そうでもないところだ。現代では、どんな職業だって人手不足だ。人手不足なら、待っているだけで給料があがる、なんてことは、今の日本では難しいことは、ご理解いただけると思う。
労働者にとっては売り手市場だが、給料は低い。マーケターが、介護業界のようになってしまう日も、来るのかも。あるいは、もう来ているか。
マーケターとして生き残っていく為に、必要なことは
1つ、軸となる専門性を持つことは、重要と思う。いわゆる、スペシャリストになることだ。
2つ目に、人間折衝力などの汎用性をベースアップすることも、大切だと感じる。マーケティングは、1つの部署だけで終わらない。他を巻きこんで進む。対人関係が上手い人でなければ、進まないプロジェクトもある。
3つ目、何ができるかを明確にすること。マーケティングは、業務内容が多岐にわたる。もはや「マーケティングができます」では意味が通じない。自分のスキルを明確にして「マーケティングの●●ができます」と具体化しなければ、企業としても採用がしづらい。日々の仕事を言語化して、実績をまとめておきたい。
参考記事:【読書メモ】人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている
より専門的に学びたいなら、マーケティングの仕事と年収のリアルという書籍がオススメだ。キャリアを6段階にわけて、次のステップを示してくれる。業界を俯瞰しつつ、実用的なアドバイスもくれる。
まとめ:マーケターのキャリアプラン、アフターコロナで「競争激化」?
マーケターは、これからが勝負だ。同じようなスキルをもったマーケターが量産され、陳腐化するマーケターという職種で、どうやって生き残っていくかが課題だ。
そんな時代で、マーケターとして生き残っていく為に、次の3つを意識していきたい。
- 軸となる専門性を持つ
- 人間折衝力などの汎用性をベースアップする
- 多岐にわたるマーケティングの仕事の中で、何ができるかを言語化する
売り方を考えるマーケターは、この先も、ずっとビジネスに必要とされる職業だ。暗い話ばかりをしてきたが、未来は明るいと思う。キャリアプランが確立されていないのが難点だが、それを考えるのも、マーケターの楽しみなのかもしれない。
編集後記
マーケターは、プログラマーと肩を並べるほど、変化が激しい職種だと思う。ITが、プログラムが、ツールが進化すれば、マーケティングもそれに乗っかって、すぐに変化する。
ついこの間までチヤホヤされていたスキルが、数年で不要になることもある。難しい職業だ。正解がない。だから面白い。

「日本一変なキャリアの元公務員」
北海道在住のライターです。
olbb(株)取締役、ガクマーケティング代表
市役所と北海道庁職員を併任した後、WEBマーケターに転職。2年後に独立し、現在はライター&経営者をしています。
「働き方をもっと自由に、だけど堅実に」がモットー。
■もう少し詳しく
≫プロフィール・お仕事の実績
≫お問い合わせはコチラ