HHKBユーザーなら誰しも知っている「尊師スタイル」。外出先でも、どこでも、HHKBの気持ちよさを楽しめます。必要なアイテムはいくつかありますが、今回はできる限りDIYを駆使してお得に集めてみました。
そもそも尊師スタイルとは? HHKB尊師スタイル
とある海外の有名人で、尊敬の念を込めて「尊師」と呼ばれいている人がいます。フリーソフトの祖とも呼ばれ、今日のフリーソフトのあり方を作ってきたリチャード・M・ストールマン氏です。
ストールマン氏は、「著作権を放棄しないものの、他者に自由に使わせることを認める」という考え方であるコピーレフトを創始し、フリーソフトウェア運動などによって推し進めてきたことで「フリーソフトウェアの伝道者」とも呼ばれる人物。「全てのソフトウェアはソースコードが完全公開かつ改変・再配布が自由とされるべき」という理念を掲げるフリーソフトウェア財団も、もともとはストールマン氏が設立した非営利団体でした。引用:https://gigazine.net/news/20210322-richard-stallman-back-free-software-foundation/
リチャード・M・ストールマン氏(=尊師)がノートパソコン上にHHKBを置いてタイピングしている画像がありまして、それを「尊師スタイル」と誰かが呼びはじめ、今では定着しているようです。
今日の尊師スタイルといえば、HHKBとMacBookを組み合わせたもののように考えてしまいますが、当の尊師はMacBookではないノートパソコンの上に、HHKBかどうかも判断がつかないキーボードを乗せているので、厳密にはなんでも良いかと思います。
とはいえ、MacBookにHHKBを載せると、あまりにビタっとハマるので、尊師スタイル=MacBook×HHKBと考えてしまうのも良くわかります。windowsと比べればマイナーなMacに、約3万円もするキーボードを組み合わせる。マイナーもマイナーな組み合わせがマニアを惹きつけるのです。私のその1人。
※当記事では尊師スタイル=MacBook×HHKBのみを示す言葉のように書いていきますが、この組み合わせに限定する意図はありません。
必要なもの・あったらいいものHHKB尊師スタイル
最低限は2つだけです。これさえあれば、すぐにでも尊師スタイルを楽しめます。
- MacBook
- HHKB
しかし「最低限」と書いたことには訳があります。この2つだけでは、操作がしにくかったり、すこし不具合が起きることがあります。
ですので、世の「尊師スタイルユーザー」は、次のような小物をあわせて用意しています。
- セパレートタイプのパームレスト
- キーボードブリッジ
パームレストは、HHKBの高さ対策です。日頃から使っている人もいますよね。MacBookのトラックパッドを覆わないように、左右にわかれたセパレートタイプが推奨されるのが特徴です。

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キーボードブリッジという言葉は、はじめて聞いた人も多いのではないでしょうか。名前のとおり「キーボードの橋」でしてMacBookのキーボードに被せるアクリル板です。
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HHKBのゴム足がMacBookのキーボードに接触しない役割があります。誤解のないように言いますと、キーボードブリッジがなくてもHHKBは乗ります。しかし少しでも位置がずれると、MacBookのキーボードとHHKBのゴム足が接触してしまって入力できなくなります。「なんだか動作がおかしいな」と思うたびにHHKBを置きなおす、そんなことが多々あります。キーボードブリッジがあると、そういった誤作動を起こすことがなくなります。ストレス軽減。
公式で販売しているものを買いたいのは山々なのですが、ちょっと高額で、1つ約 4,000円します。4,000円出したい……なのですが万年金欠です。しかしHHKB界隈がもっと盛り上がるように私も積極的に参加していきたい、ここはDIYで頑張ってみるとします。
「HHKB キーボードブリッジ 自作」と検索すれば、同じことを考えてDIYに挑戦するマニアの記事がたくさんヒットします。自分なりにカスタマイズして楽しめるのも、長く使うほど手に馴染むHHKBらしいではありませんか。貧乏のためカネでは応援できませんが、熱意と愛情でHHKBを盛り上げよう!
そんなわけで先日はウッドパームレスを先日DIYしました。今日はキーボードブリッジを自作してみることに。
パームレストの作り方HHKB尊師スタイル
パームレストはすでに自作しています。こちらは確か1,215円で作れました。わずか1時間で完成したので、どなたでも作れると思います。
関連記事≫わずか1215円・1時間でHHKBのパームレストを自作DIYした話
わずか1215円・1時間でHHKBのパームレストを自作DIYした話 – ガクマーケティング
HHKBのパームレストを自作する方法を画像多めで紹介します。公式で買うと4,000円するパームレストを安価に自作しました。家にノコギリもないDIY初心者ですが、1時間で簡単に完成しました。誰でも作れると思いますので、ぜひつくってみてください。
公式パームレストが木製でして、格好が良い。それに影響されて、わたしも木製で作りました。快適で毎日使っています。ゲル性のものより蒸れないのがいい。パームレストは尊師スタイルには欠かせないアイテムですし、安く済むので、息抜きがてら作ってみてはいかがでしょうか。
さてさて、別記事の宣伝はここまでに。今回は尊師スタイルを支えるもう一つのアイテム「キーボードブリッジ」を作っていきましょう。
キーボードブリッジの材料 HHKB尊師スタイル
材料は全てホーマックで買ってきました。
- アクリル板(アクリサンデーMR板ハードコート6H 厚さ3mm) 1,307円
- アクリルカッター 493円
- ゴム足 360円
- 合計 2,160円

アクリル板は厚さ3mmを選びました。2mmだと歪んでしまうことがあるようです。「ハードコート6H」というのは表面の硬さを表しているようで、傷のつきにくさに繋がるようです。通常の硬さと値段もおおきく変わらないので、6Hを選んでいます。

「アクリルカッターはいらないだろう」と思う人もいるでしょうが、これは本当に買った方がいい。普通のカッターでアクリル板を切るのは、現実的ではないと言いたいほど辛いでしょう。
アクリルカッターはこんな形状です。

尖っている部分でアクリルを削り取っていきます。大工道具の「かんな」のように、ほそく削りとる道具です。カッターはせん断する道具ですが、アクリルは硬いのでせん断は難しい。アクリルカッターは少しずつ削りとって薄くして、最後にパキッと折って切断します。

ゴム足は、アクリル板とMacBookが接触して傷がつかないようにするもの。取れやすいので、複数セットになっているものが望ましいと思います。

材料・道具があつまったところで、早速つくっていきましょう!
いざ制作開始! HHKB尊師スタイル
アクリル板をカットする位置に目星をつけるため、MacBookの上に置いてみます。ゴム足に見立ててフリスクを四つ配置してみました。





ゴム足を置くための余白を確保するのを忘れないようにしてくださいね。
私はアクリル板を真四角にカットしていますが、バード電子製のキーボードブリッジは真四角ではなくトラックパッド部分だけ避けるようにアクリル板が加工されています。

やってみると分かりますが、これをDIYするのは難しい。わたしが買ってきたアクリルカッターは細かく切断するのは苦手。糸鋸でもあれば上手く加工できるかもしれませんが、それはそれでアクリル板の硬さに手を焼きそうです。下手をうつとアクリル板が割れる可能性もあります。個人DIYならば四角でつくるのが確実です。
形が決まったところで切断してきます。

写真を見るとわかるように、アクリルカッターを使うと細かいカスが出てきます。かんなと同じ原理で削り取っているからですね。もちろん一回では切断できないので何十回も往復していきます。これがかなりしんどい作業でした。

アクリル板の厚さの1/3くらいを削り、十分な切り込みが入ったら、パキッと折ります。

削りが甘いとうまく割れません。切り込みが浅いうち折ろうとすると真っ直ぐ切断できません。

切断面は紙やすりで整えます。アクリルは硬いので、小さなバリでも手を切りそうですからね。

MacBookの上に乗せてみましょう。

ピッタリですね。うまくいった……。四隅にゴム足をくっつけていきます。

完成だ!
MacBookに載せるとこんな感じ。ゴム足でしっかり浮いてくれます。MacBookにも傷はつきません。


HHKBをのせてもアクリル板はたわんでいませんね。厚さ3mmは流石に丈夫です。持ち運んでも、割れたりすることはなさそうです。

ウッドパームレストを一緒に使ってみると……




見事な尊師スタイルです。美しい!
尊師スタイル自作に使った金額 HHKB尊師スタイル
- ウッドパームレスト 1215円
- キーボードブリッジ 2159円
- 総額 3374円
思ったよりも安く仕上がって大満足です。
ウッドパームレストは、もう少し安価に材料を仕入れれば、500円前後で作れます。理論上は総額2800円ぐらいで作れそう。
作ってみた感想 HHKB尊師スタイル
ずっと昔の理科の授業で「アルミはやわらかくて加工がしやすい金属として重宝されています」と習った記憶があります。
柔らかくて加工がしやすいのが、なぜ重宝される理由になるのか、今までよく理解していませんでした。「もっと硬くて丈夫な素材の方が、便利じゃないか?」と最近まで思っていましたが、アクリル板を切断してみて、加工しやすいことの大切さを知りました。扱いやすい素材とは、誰しも加工ができ、技術を共有でき、そのうえ加工にかかるコストが安く済む。加工が難しくて特定の人にしか扱えない素材というのは、なるほど流通しないのでしょう。
アクリルカッターは必須です。ノコギリでもきついと思います。硬すぎる。カッターがあれど、カーブさせたり細かく切断するのは現実的ではありません。
そう思うと、公式のキーボードブリッジは、実はものすごくコスパがいい商品に見えてきます。専用の機械がないとできない複雑な形状ですし、端面は磨きあげられているし、刻印まで入って約4,000円。価格以上に価値がある商品です。
クオリティを求めると公式一択になりますが、DIYにはアクリル板の色を自由に選べる面白さもあります。ホーマックには「透明タイプ」と「真っ黒タイプ」と「真っ白タイプ」なども売られていました。MacBookやHHKBの色にあわせて選べるのも、これまたDIYらしくて良いですね。
さてさて、これにて尊師スタイルが完成。はやる気持ちそのままに、尊師スタイル一式を鞄に入れて、カフェにいってきます。

例の如く、駅前のドトールで1日使い倒してみると、改めてメリットデメリットが見えてきたような気がします。まだ尊師スタイルに踏み込めていないあなたに向けて、それらをまとめてみることにしましょう。
尊師スタイルのメリット HHKB尊師スタイル
尊師スタイルのメリットは明確です。
- MacBookを使いながらも
- HHKBの軽快なキーボードをつかえて
- なおかつ場所がコンパクトなところです
全てMacBookの上に置いてしまうので、面積はいつもと変わりありません。カフェなどの机が小さい環境でも問題なく使用できます。「それだけ?」と思うかもしれませんが、尊師スタイルのメリットを突き詰めると、ここしかないんじゃなかろうか。
持ち歩きに便利……でもないです。そもそもキーボードとパームレストなんて持ち歩かない方が便利。入力しやすい……のは、尊師スタイルでなくても同じです。外部キーボードとして使えばいいんですから。
わざわざキーボードブリッジまで作って、MacBookのうえに載っけるメリットは……コンパクトになることしか思いつきませんでした。
あ、そうだそうだ、忘れてはいけないもうひとつのメリットがありました。尊師スタイルは、ドヤれます。
スタバでMacBookを広げ、その上にHHKBを乗せる。この瞬間、この小さなカフェのテーブルの上で、馬鹿みたいな単価のアイテムを広げている。それが高いか安いか知っているのは、おそらく私たちだけでしょうが、それすらも優越感を生みだす手助けになり、快感に包まれながら作業ができる。それもまた、尊師スタイルの忘れてはいけないメリットだと思います。
尊師スタイルのデメリット HHKB尊師スタイル
デメリットも多くあるのが尊師スタイル。まず一つに金がかかる。HHKBが約 3万円するのに、さらに3000円強かけてキーボードブリッジとパームレストを用意しているので、合計で約33000円は金がかかっています。趣味なので何とも思いませんが、傍から見たら狂気な金額です。
それと、MacBookの指紋認証は使いづらくなります。HHKBが邪魔になります。ロックされるたびに、キーボードブリッジ・HHKBをよけて、指紋認証して、またキーボードブリッジ・HHKBを置いて……と面倒なことになります。
指紋センサーを避けるようにアクリル板を加工できるなら問題はないのですが、市販で売っているアクリルカッターではなかなか難しい。
尊師スタイルだから、というわけではないのですが、あまりにもHHKBに慣れてしまうと、Macの標準キーボードで仕事をするのが辛くなってきます。カフェで仕事をするときも、長時間入力するにはHHKBがないと辛くなり、尊師スタイルを持ち歩くようになり、荷物が増え、鞄が大きくなり……つまるところ何かと面倒が増えます。
カフェで尊師スタイルをすると、MacBook Air、HHKB、キーボードブリッジ、ウッドパームレストなど合わせて15万円から20万円程度の品々が小さな机の上に置かれることになります。置き引きのいい鴨ですね。
心配症なので、トイレに行くときも全ての道具を鞄に入れて移動するようにしていますが、これも手間のもと。MacBookだけじゃなくてHHKBもキーボードブリッジもパームレストも全部しまって鞄に入れます。トイレから帰ってきてMacBookを出してキーボードブリッジおいてHHKBをセットしてパームレストを置いて、ようやく作業再開。面倒です。
それでも続けたくなるのが尊師スタイル。こんなところまで読んでいるあなたは「尊師スタイルをやってみたいな」とお悩みのことでしょう。どんな人に尊師スタイルが適するか考えてみました。
こんな人にはオススメ HHKB尊師スタイル
- 長時間の入力する人
- キーボードを入力するのが好きな人
- ノートパソコンで作業するのが好きな人
- 屋外でも外付けキーボードを使いたい人
- ノマドスタイルで気軽に移動しながら作業したい人
こんな人には是非、尊師スタイルをお勧めしたいです。
家でどっしり作業するとか、パソコンをあまり動かさない、なんていう人はわざわざ尊師スタイルにする必要もないとは思います。マニアな趣味だなぁ。
まとめHHKB尊師スタイル
憧れのHHKB尊師スタイル。全てDIYで揃えてみました。かかった金額はキーボードブリッジとウッドパームレスト合わせて約3500円。我ながらうまいこと工面したと思います。
キーボードブリッジを作るポイントをまとめておきます。
- アクリルカッターをちゃんと買うこと
- アクリル板にしっかり切り込みを入れてから折ること
- 直線以外の加工は諦めたほうがいいこと
- しっかりした形のものが欲しい場合は公式通販を使った方がいい
アクリル板は無色透明、真っ黒、真っ白などなど、様々な色を選べます。ウッドパームレストも塗装を選べるので、思った通りにカスタマイズできるのが魅力。HHKBのキートップと合わせて、統一感を出すのも楽しそうです。
3000円程度のDIYですが、長く使えるアイテムができました。苦労した分、愛着も湧きます。HHKBといっしょに長く使っていきたいですね。
続報がありましたらまたブログにします。長い記事になりましたが、最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。それではまた。
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公式の立場になって考えれば、キーボードブリッジやパームレストは、大量生産するほど注文ないだろうから、少ないロット数で発注していると思うんですよ。そうなると1つあたりの原価は高くなるはずで、加工のレベルの高さも考えると、利益はさほど得ていないと思います。もっと正確にいうと、HHKBユーザーに楽しんでもらう・顧客還元を第一に考えている商品なのかな、なんて元ECサイト担当者は思うのでした。(違ったらすみません)

1994年生まれ。北海道出身。
市役所と北海道庁職員で土木職員を併任した後、WEBマーケターに転職。2年後に独立し、現在はライター/Webコンサル/YouTuberをしています。
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