
公務員になぜボーナスが出るのか「おかしい」と思っている方向けに解説します
目次
YouTubeでも解説
なぜ公務員にボーナスがでるのか
これは民間企業のボーナスの性格に関係しています。
公務員のボーナスは、民間企業をもとに決定されています。
なので、公務員のボーナス≒民間企業のボーナス≒「日本のボーナス文化」といえます。
公務員のボーナスを語るときは、日本のボーナス文化を語る必要があるのです。
公務員に限らず、日本の”ボーナス文化”はちょっと特殊。
海外のボーナスは、インセンティブの要素が強いです。業績に強く連動します。
例えばアメリカだと、ボーナスは管理職とか役員にしか支給されません。
支給されるときは、年収の5%とか10%とかって感じで計算されます。
アメリカだと年収が実績・成績に強く関係するため、インセンティブの要素が強く出るわけです。
では日本は?
日本のボーナスは”ほぼもらえるもの”として根付いています。
「ボーナス払い」という仕組みがあるように、生活給の1つになっているお金です。住宅ローンとかね。
そういう文化なのです。もちろん業界に寄りますけどね。
つまり、日本のボーナスは「業績に連動するインセンティブとしてのボーナスではなく」
「生活給として、ほぼもらえることが確定しているもの」なので、公務員もそれに習っているわけです。
財政きついのに公務員のボーナスはなぜ出る?
では、財政的にキツイのにボーナスが出るのはなぜか?
これも公務員だけでなく、日本全体で考えましょう。
赤字でもボーナスがでる企業もたくさんあります。
逆に、赤字だとボーナスがでない企業の方が少ないのではないでしょうか。
「会社が赤字でもボーナスが出るのがおかしい!」
という話になるかもしれませんが、単純にそうも言えません。
例えば、経営陣がバカばっかりで「新しい事業に投資して大赤字になった。じゃあ今年ボーナス0円ね」
なんて話になれば、従業員としてはたまったもんじゃありません。
従業員が離れてしまいます。
なので、赤字になってもボーナスを出す企業がたくさんあります。
そういうボーナスの文化にあわせて作るため、公務員のボーナスも同様というわけです。
公務員にボーナスがでるのは、日本のボーナス文化に習っているためでした。
公務員のボーナス多くない?
国家公務員のボーナスは、民間企業のボーナスの平均で決まります。
なのでそんなにズレていません。
※地方公務員は独自に決めていることもあります。ほとんどが国に準拠しているとは思いますが。
それをもっと下げろ!という意見もありますね。
気持ちは分かります。元公務員としては、公務員のボーナスはうらやましい。
ただ、下げたらどうなるかという視点も必要です。
優秀な人材がいなくなります。
優秀な人材がいなくなったら反動は、皆さんもご存じではないでしょうか。
どんな会社にも、コアになるとても優秀な人いますよね。
この人がいなくなったら会社が傾く、そういう人。
そういう人が、みんな辞めていきます。
もちろん公務員なので、優秀な人材がいなくなっても倒産はしません。
しかし、業務効率や、公共事業の効果はどんどん低くなっていくいきます。
窓口の待ち時間は長くなるし、もっとイライラするかもしれません。
ここで「もっと電子化しろ・効率化しろ」というのは、別のテーマになるのでフォーカスしません。
公務員は公共の福祉者ではありますが、同じ人間です。
「クビにならないんだから、ちょっと安い給料で働いて」と仕組みを変えてしまえば、たくさんの人がやめてしまいます。
公務員のボーナス「おかしい」と思うのは今だけかも
公務員のボーナスがずるい!と思う人、あるいは現役公務員の方で、ボーナスをもらうことに後ろめたさを感じる人がいるかもしれません。
しかしそれは、景気が悪い今だけかもしれません。
バブルの時代では「公務員は給料が安すぎる」とか「ボーナスが立たない」と、馬鹿にされることも良くあったそうです。
景気が良い時期の民間企業がどれくらい稼げるかというと「101回目のプロポーズ」で武田鉄矢氏が演じていた、冴えないサラリーマン(万年係長)のボーナスが「80万」でした。しかもマンションを持っています。
民間企業は景気が良くなればドンと稼げるようになりますが、公務員は上振れも下振れもしません。
その点で平等と言えるでしょう。
景気が悪いから、安定している公務員の人気が高いし、ボーナスも多く見えます。
景気が良くなったら、見え方は変わってくるでしょう。