この記事では、高卒の公務員が抱える悩みや辞めたくなる理由について解説し、さらに転職先のおすすめ職種や転職活動方法も紹介します。高卒の公務員の方や、転職を考えている方に役立つと思います。
この記事を読まないと、自分の悩みや不安が解決しないままでいることがデメリットですが、読むことで悩みに対する答えを見つけられるメリットがあります。では、さっそく本題に入りましょう。
高卒公務員が辞めたくなる理由
給料が低い
総務省の令和3年度地方公務員給与の実態によると、大卒の東京都地方公務員(一般行政職)の平均初任給は183,700円、高卒の東京都地方公務員(一般行政職)の平均初任給は145,805円で、約37,000円の差があります。
固定費や貯金を差し引くと、自由に使えるお金は数万円ですから、一人暮らしを考えている高卒公務員にとっては難しいと考える人もいるのではないでしょうか。
昇進しにくい
大前提、高卒公務員は大卒公務員とスタートラインが違います。
高卒公務員は1級5号級から始まるのに対して大卒公務員は1級25号級から始まるのが一般的です。そのため、役職が明確になる40代50代前半になると、大卒公務員は課長級まで昇進するのに対し、高卒公務員は平社員ということもあります。
また、公務員の中には昇進に大卒以上の学歴が必要とされる職種があるため、高卒公務員は大卒公務員と比較すると昇進に必要な要件を満たすことが難しいこともあります。昇進を希望する方にとって高卒で公務員はあまりおすすめしません。
残業が多い
残業が多い部署に所属した場合、若いから・高卒だからと言って優遇されることはありません。
私が福祉課に配属された際、残業時間が60時間超えの月もありました。
仕事での拘束時間が増えるとプライベートな時間を確保できなくなってしまいます。
高卒公務員のメリット
大学の学費を払わず済んだ
高卒で公務員に就職すれば、大学の学費はかかりません。
大学に進学した場合、日本学生支援機構のH30年度学生生活調査報告によると昼間部に通う大学生の平均的な学費が1,208,800円であり、これを4年間とすると約4,835,200円です。そのため学生本人や親への金銭的負担がかかります。
その一方で高校卒業と同時に公務員へ就職した場合、大学の学費はかからないため本人や親へ負担はかかりませんでした。
大卒と同じ給料表にいながらも、学費がかかっていないのが利点です。
社会人経験が長い
高卒公務員は大卒公務員より4年早く働き出すため、同年代が入庁するまでには仕事にも慣れ、上司や同僚との交流も増えるので一人前の社会人へと成長するでしょう。
また公務員は約3〜5年に1度、人事異動があるので同年代の大卒公務員が入る頃には既に1つ課を経験していることもあるので、公務員としての経験値や知識量は同年代の大卒公務員より多いです。
上司や同僚に可愛がられる
同期は4歳上の大卒者が多く、高卒採用は数名しかいません。若いので同期や上司に可愛がられることもあります。
実際、私も高卒で公務員になりましたが、上司や同僚にとても優しくしていただきました。
高卒公務員のデメリット
専門知識がない
大学は専門的な知識や経験を得られるのに対して、高校はまだ専門学科を設置する学校は少ないと言えます。転職を検討するにしても専門知識を持っていれば強みになりますし、最近では大学を出ていることが一般的になりつつあるので「大卒以上」を必須条件としている会社も増えています。
同期の大卒と比べると昇格タイミングが遅い
高卒は1級5号からスタート、大卒は1級25号からスタートし、93号(行政職の場合)になると2級に昇格します。
1級から2級に上がると役職が主事から主任主事に昇格し、1万円以上の昇給があります。先に93号になるのは大卒なので、一般的に大卒公務員と同時期に入社しても昇格のタイミングが遅くなります。
退職年齢の上昇
人事院によると令和5年4月から2年に1歳ずつ定年退職の年齢が引き上げられ、令和13年4月に定年退職年齢が65歳になります。そのため、公務員としての職務を継続する期間がますます長くなります。
若手公務員におすすめの転職先職業
IT関連企業
最近はIT技術がますます重要になり、大きな成長産業です。
未経験採用も増えているので公務員で培った情報処理やデータ管理などの知識を活かし、IT関連企業に転職することで新しい知識やスキルを身につけることができます。
一般事務関連企業
事務職は細かい作業や文書作成等などさまざまな業務を行います。そのため、公務員で学んだ事務処理能力や管理能力を生かし、一般事務職に転職することもできます。
大手企業や中小企業を問わず、事務職は求人案件が多く、公務員としての経験を評価する企業もあるでしょう。
人事・労務関連企業
人事については人材採用、人材育成や評価など多様な業務に携わります。労務については給与計算、福利厚生、就業規則等の管理を行います。公務員で培ったコミュニケーション能力やマネジメント力を活かし求人に応募してみるのも良いですね。
転職活動をする方法
転職活動準備
今後のキャリアを明確にするために自己分析をし、転職先となる希望職種に関する情報収集(募集状況や求められるスキル・経験、年収や福利厚生等)を行います。
応募書類作成
公務員としての経験を活かした自己PRを盛りこみ、履歴書・職務経歴書を作成します。公務員としての実績や業務内容を具体的に記載することが重要です。
求人に応募
転職エージェントや転職サイトを利用し、希望職種に応募可能な求人情報を収集します。応募先企業との面接が決まり次第、自己PRを磨くための準備を行いましょう。また、公務員としての経験がどのような強みになるかを再確認しておくことも重要です。
内定と転職手続き
内定が出た場合は、転職先との交渉や現職の引き継ぎ業務、退職手続きなどの準備を行い、スムーズに転職をしましょう。
まとめ
高卒公務員のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- 大学の学費を払わず済む
- 社会人経験が長い
- 上司や同僚に可愛がられる
デメリット
- 専門知識がない
- 給料が低すぎる(大卒同期と昇格が同じではない)
- 退職年齢の上昇
若手公務員が転職におすすめな業種は以下の通りです。
- IT関連企業
- 一般事務関連企業
- 人事・労務関連企業
いろいろな職種があるので、自分の興味があることを探してみるのが良いですね。

地元の市役所に8年間勤務したのち、キャリアチェンジのため2023年4月から2カ国留学を開始するアラサー独身女。
趣味は旅行、音楽鑑賞、カラオケ、カフェ巡り、スキーです。Instagramでは主に旅行と留学について発信していきます。
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