世の中は、わからんことばかりである。
法律のこととか、カネのこと。すべてを知るするのは、簡単ではない。
しかし、その難しさを悪用する人たちがいる。労働基準法を守らない企業や、投資家の養分になるばかりで自己資産は微塵もふえない金融商品をすすめる銀行マンなどが、わたしたちを突き落とそうと狙っている。法律に疎いことを逆手にとられ、騙される話は後を絶たない。
落とし穴がたくさんある現代を、できる限り大失敗せずに生きていくには、なにが必要だろうか。それは、やっぱり、知識である。無知でうまれた落とし穴を生められるのは、知識でしかない。
生命保険に積み立てがくっついた商品をNOとはねのけ、連帯保証人になるのを断る、自らを守るのは、腕っぷしではなく、知識だ。
では、何から最初に勉強したら良いのだろうか。まずは金融から、という声もあるかもしれないが、わたしは民法から始めるもの悪くないと思う。
「契約」についての知識は、人生を穏便に生きるための、分厚い盾になるからだ。
社会は無法地帯
民と民のやりとりは、自治である。
AとBが同意したら、それで契約。問題があっても、AとBで解決する。それが無理なら裁判。
こうみると、けっこうな無法地帯ではないだろうか。
しかし自治とはいえ、一定のルールを設けなければ社会に影響がある。たとえば遺産相続の計算方法とか、契約は口約束でも効力を発揮するとか、そういった類のルールがないと、社会が停滞する。
民法の守備範囲はひろい。普段の買い物(契約)から、土地のやりとり、賃貸に関することも包含される。わたしたちの生活行為の多くは、民法のルールのなかで動いている。
そんな民法だが、千五十条まである。文字数で言うと、20万文字以上だ。この文字たっぷりな記事ですら、1500文字前後。民法は、このページの100倍以上ボリュームがある。バカか変態か天才でなければ、最後まで読めるものではない。
そこを、悪人が武器とする。
たとえば「債務者が逃げたとき、連帯保証人は『まずは債務者を探してくれ』という権利がなく、カネを支払わないといけない」といった具合だ。いくらでも悪用できそうで、恐ろしい仕組みだが、これも法律である。これを悪用した罠に一度でもかかってしまうと、人生は傾いてしまう。
少額すぎる資産運用をするよりか、まずは、騙されて大損しないように、民法を勉強した方がよいと勧めるのはこういうところにある。
いきなり法律を読むのは難しいが、「マンガでわかる民法」なんて入門書を読むだけでも、ずいぶん騙されにくくなる。
人生でロスをしないための知識
人生の落とし穴はたくさんある。
家を買うとか、ゴミみたいな保険に契約するとか、車を買うとか(田舎だから買うけど)、結婚式をあげるとか、騙されるとか。
しかし、これらのロスを出さなければ「ちょっと裕福な老後」くらいなら、誰でもなれる。ロスを出さなければ、大成功はしなくとも、そこそこの成功は掴める。
そのためには、金融やら、法律やらを、勉強する必要はある。自分が騙されやすい性格だと思うなら、民法から始めるのがオススメだ。
ただ、まかり間違っても「民法を勉強したから、騙されるはずがない」とは思わない方がいい。契約書があれば、貸したお金が帰ってくる保証なんてない。最低限の「悪人感知センサー」をもっておいて、難しいことは弁護士に相談しよう。
人生で大ポカをしないための、法律の知識シリーズ
»サラリーマンが知っておくべき「不思議とクビにならない労働者」と「法律」

「日本一変なキャリアの元公務員」
北海道在住のライターです。
olbb(株)取締役、ガクマーケティング代表
市役所と北海道庁職員を併任した後、WEBマーケターに転職。2年後に独立し、現在はライター&経営者をしています。
「働き方をもっと自由に、だけど堅実に」がモットー。
■もう少し詳しく
≫プロフィール・お仕事の実績
≫お問い合わせはコチラ