こんにちは、元地方公務員のべけいたと申します。
イノウエさんのYouTubeチャンネルを見て転職活動の参考にし、民間企業から内定を頂くことが出来ました。
内定獲得後、私の方からイノウエさんに何かお手伝いできることはないかと相談したところ、転職先の私の職種も踏まえたうえでチャンネルの分析を担当させていただくこととなりました。
イノウエガク)YouTubeの規約上、すべては公開できず、一部を伏せております。
はじめに
文体も、形式も、内容もすべて試行錯誤です。
下書きとなったレポートはあるのですが、これはイノウエさんあてのものでして、アナリティクスの画像やチャンネルの秘密情報に関することについても言及しているため一般公開はまずいということで、少し内容を変えております。
まさか、ブログに書いていいなんて言われると思わなかったので、変換という思わぬ作業が発生してしまいましたが、まあ私現在有給消化中で暇次の会社の準備に向けて有意義に日々を過ごしているので良いかなと。
イノウエガク)すみません!
0,本レポートの要約
- 初分析ということで基礎的なアナリティクスを概観する
- 過去1年間の再生数の分析とコンテンツごとの平均再生率を比較
- 個人的な偏見で抽出したショート3つを分析
- 視聴者増加の起爆剤とするため、既存のコンテンツにはない要素を含んだ動画の作成を提案
1,アナリティクスの概観
先ずはチャンネルが再生されている時間帯について見てみると、過去28日間の視聴者のアクセス時間帯は●〜●時が最も多い。
土日は●●なのは感覚で理解できるのだが、面白いのが水曜日で、他の平日と比べ明らかな違いが見受けられる。
しかし、その場合、木から金曜にかけても●時台から視聴数が上がりそうなものだが、そのような傾向はない。要因について現段階では不明であるが、今後もこの傾向が続くのか観測してみるのも面白いだろう。
次に、視聴者層について解説していく。
性別は男女比●:●となっている。
年齢層による再生率について、顕著な違いが分析できたので報告する。
●〜●歳に向けて再生率が下がっていき、そこからV字回復して●~歳で再生率●%を超える。これにはいくつか理由が考えられる。
まず、若年層の再生率が高い理由であるが、これは公務員に対する基礎的知識の不足から、動画を1通り視聴しなければ内容を理解できないという理由が考えられる。
また、●歳以上の平均再生率が高い理由については、ショートを律儀に最後まで視聴し、そのまま二週目に入ってしまうからだと考えられる。ショートは後半にかけての情報量が多く、且つ最後の1秒のまとめ部分が一瞬で終わり、すぐにリピートされるため、反応速度が鈍りがちな高齢層にとっては、切り上げるタイミングが難しいのではないだろうか。
●〜●歳で平均再生率の底が観測されるのは、彼らにとってショートの内容は、タイトルとサムネイルで大方の予想がつき、実際に視聴してみて自身の知見の範囲内であれば早々にバックするという行動を取るからではないだろうか。
視聴のメイン層である彼らの平均再生率を上げることがチャンネルの視聴者増加に大きく寄与するだろう。
視聴回数については、やはりショート動画が圧倒的シェアを占めており(●%)、動画の投稿数88に対してショート動画の投稿数は130と動画の1.5倍弱の投稿数であるにも関わらず、再生数に対するショート動画の寄与率が高い状況となっている。
ライブ配信については、視聴回数への寄与率は現状僅少である(●%)。
また、再生数に大きく寄与しているのが未登録者である(●%)。
YouTube就中ショート動画の性質上やむを得ないが、チャンネル登録者が律儀に動画を視聴するよりも、未登録者がつまみ食い的に視聴している傾向が顕著であると言えよう。
インプレッション(YouTubeによっておすすめされた)と総再生時間の関係についても見ていこう。
インプレッションからの視聴率(クリック率)は●%となっている。前述した本チャンネルの特性から、チャンネル未登録者の行動が再生数に大きく影響しているため、クリック率を今後向上させることが課題である。
平均視聴時間が●分と、ショートの再生時間30秒前後に対して●倍近い値となっているが、これは、ライブ配信や動画の再生時間が影響していると考えられる。そのため、今後ショートがより充実していき、チャンネル全体に占めるライブ配信や動画のプレゼンスが減少していくにつれて、平均視聴時間も逓減していくと考えられる。
最後に視聴者の地理的特性について概観する。
視聴国の●%は日本である。視聴国については完全に日本国籍者向けの内容であるため無視して良い情報である。
視聴都市別は少し面白い結果となった。1位から10位までを記載する。
- 1位:●市(●%)
- 2位:●市(●%)
- 3位:●市(●%)
- 4位:●市(●%)
- 5位:●市(●%)
- 6位:●市(●%)
- 7位:●市(●%)
- 8位:●市(●%)
- 9位:●区(●%)
1位の●から5位の●の視聴回数が、6位の●市以下他都市より明らかに多い傾向が読み取れる。1位の●(●%)は他の追随を許さないシェアとなっており、●市(●%)が続いている。
●や●の住民は地方公務員への関心が高いと言えるのかもしれない。ショートのテンポの良さが、住民性にマッチしている可能性も考えられる。
また、これは報告者(べけいた)が地元だから言える推論でしかないのだが、●市が人口規模の割に●市、●市に引けを取らない再生数を記録している。投稿者が北海道出身であることを割とオープンにしていることとも関係がありそうである。
また、単なる人口規模だけでなく、大学生の多い町ほど視聴者が多いのかもしれない。
地域特性については、分析を始めるとキリがないので、今後投稿者との相談の上で分析の視点を決めていきたい。
以上で、基礎的なアナリティクスを終了する。
2,視聴数とコンテンツごとの再生率の傾向
前項では、基礎的なデータの解説を行った。本項でも引き続きアナリティクスから読み取れる分析を行うが、視聴数とコンテンツごとの再生率の傾向について、発見した点を解説していく。
まず、視聴数の推移であるが、今年3回のピークが観測されている。
1回目のピークが本年9月初旬にあり、「【公務員辞めたい】民間企業に転職して衝撃だった「残業」の考え方の違い」(以下「残業」)が火付け役となり、従来例を見ない爆発的な再生数を記録した。
2回目のピークは、10月下旬「【就活・転職】公務員になって分かった理想と現実【クレーム編】」(以下「クレーム」)が投稿された頃であり、その後ピークアウトの様相を呈するが、先に投稿されていた「【必見】AIで2024年には消えるかもな仕事(転職&就活の参考に)」(以下「AI」)がじわじわと再生数を伸ばした結果、視聴数を底支えする形となった。
3回目のピークは11月中旬の「【就活・転職】公務員の最高のメリットと最悪のデメリット【大卒編】【理想と現実】」(以下「大卒」)投稿後であり、前述の「AI」と交代する形で視聴数を伸ばした。
視聴数推移には不可解な点が2点あった。
1点目が、最初のピークの火付け役である「残業」の投稿日が7/16であり、投稿後長期間にわたり再生数が伸び悩んだのにも関わらず、9月に入り急に再生数を激増させたことである。この時期に残業(時間外労働)について世間の人々の関心が高まっていたのだろうか。
2点目が、2、3回目のピークの主人公が結局何だったのかよくわからないことである。ピークの直前に「クレーム」「大卒」が伸びているが、全再生数に占める割合が●%を切っており、大きく貢献した印象はない。「大卒」に至っては、3回目のピーク後の視聴数減速期に当該動画のピークを記録しておりトレンドから外れた動きが見受けられる。
ショートのストックが充実してきたのもあり、明確な覇権(ヘゲモニー)を取るコンテンツがなくなってくるステージに突入したのかもしれない。今後ピークを迎えた際には同様の現象が発生するのか観察する必要がある。
次にコンテンツごとの再生率について分析したところ、面白い傾向が見られた。
再生率●%を境に再生率が二極化していく傾向が読み取れたのだ。下位層は全て動画であり、逆に上位層は全てショートであった。
パフォーマンスが低いとされている動画はやはり生配信である。再生時間が長いため、つまみ食いが再生率の押し下げに貢献している状態である。
しかし、投稿者の人となりや既存登録者へのチャンネルへの理解を深めるため、動画(特に生配信)はペースを落としででも続けるべきだと個人的には思う。この辺りは今回深堀が出来なかったので、今後より深く分析していく必要があるだろう。
話が横道にそれるが、投稿頻度が非常に安定しており、連続したデータを抽出することが出来た。投稿者の根気に脱帽である。
イノウエガク)ありがとうございます!
3,ショートの分析(個別事例)
本項では、報告者が個人的好みで抽出した3つのショートへの分析(感想)を述べる。
1つ目が前項でも紹介した「大卒」である。当該ショートは非常に高いパフォーマンスを記録している(24時間以内の再生数が平均を大きくアウトパフォーム)。
バズったショートでも、パフォーマンスの観点で見ると必ずしも好成績ではないことが多いのだが、当該ショートは平均を大きく上回るペースで再生されている。
「大卒の初任給」について言及しているため、公務員や志望者に限らない広範な視聴者を惹きつけられるのが要因であろうか。
2つ目は、「【就活・転職】公務員になってわかった理想と現実【消防団編】」である。投稿後24時間のパフォーマンスは平均レンジを下回る推移だ。
報告者の第一印象では、マニアックな内容のためもっと伸び悩むかと考えていた。
しかし、コメント欄を覗いてみると現職の方と思われる方々のコメントで盛り上がっており、投稿後24時間以内だけ見れば、「大卒」と同じだけチャンネル登録者を獲得している。
パフォーマンスについても高くはないのだが、決して低すぎることもなく、他ショートでもこの程度の低パフォーマンスは散見されるので、むしろ健闘しているとも言えるだろう。
チャンネルの陳腐化を防ぐため、隠し味的にマニアックな投稿をしていくのも、類似チャンネルとの差別化として悪くない選択であると言えよう。
最後が「【就活・転職】公務員になってわかった理想と現実【●●新聞編】」(以下「●旗」)である。
パフォーマンスについては以下のとおりで、24時間再生数が通常の●%以上も上回る高パフォーマンスである。
興味深いのが平均再生率の推移である。
ショートの性質として、最終盤に再生率が急落する性質がある。これは、ショートは30~60秒ほどの再生時間で起承転結がはっきりしており、結末が予想できた段階で離れる視聴者が一定数いること、ループを嫌って最後の1~2秒でバックする視聴者がいることなどが要因である。このこと自体は普通であり、どのショートにも共通する特徴である。
しかし、「●旗」は再生時間の半ば過ぎ付近(●秒)で●%の境目を迎える。また、再生率は最終的に●%台まで落ち込むが、漸減のカーブを描いており、視聴を一斉に止めている傾向は見られない。パフォーマンスの高さを見ても、内容自体が見限られているのではないことは推測できる。もう少し深堀してみよう。
このショートでは、●●新聞の正体が“●旗”だとはっきり分かった時点が再生率●%の境目である。メインの視聴者(現役公務員関係者)にとっては、このショートのオチはタイトル段階から薄々見えており、はっきりわかった瞬間に満足してショートを閉じている、そんな光景が予想できる。
このショート自体パフォーマンスが高く、視聴者にとってウケる内容であることは疑いない。再生率のピークをどこに持ってくるかが、効率的な再生数アップと視聴者獲得に繋がっていくのかもしれない。
4,方向性の提案
以上で、分析を終えるが、最後に分析結果を踏まえた今後の方向性について3点ほど私見を述べる。
1点目が、女性に重点を置いたコンテンツの投稿である。
第1項で男女比が●:●であることを確認した。本チャンネルには「育休」「産休」「女性の管理職登用」などの女性ターゲットの投稿がまだない。こうしたテーマは女性だけにとどまらず、男性にとっても有益な情報となりつつあり、また「社会の適材適所を実現していく」というチャンネルのテーマ的にも、混ぜてみても良いのではないかと考える。
2点目が、動画の投稿である。
現在、チャンネルのメインコンテンツはショートであり、動画コンテンツ内での内訳は、毎週土曜日の生配信が増えている。確かに、チャンネル登録者数の躍進はショートを導入してからであり、開設初期の動画の再生数は未だに芳しくない。
しかし、ショートは尺が短く爆発力がある一方、更新頻度で勝負する性質がある。対して動画は、作成コストはかかるが、ショートにないメリット(尺の長さを活かして論理的に伝えられる、細く長く再生数を稼げる)もあり、コンテンツポートフォリオのバランス調整という面で、動画の投稿も続けていくべきだと考える。
ここで、動画の方向性について言及すると、有名ユーチューバー(ティックトッカ―?)“東京ウーバーズ”のように、ショートと同じ形式だが、3分ほどの尺で、解説も充実させたロングバージョンを作成するか、ショート形式とは完全に別ベクトルの少しお堅い動画にするかの選択が考えられる。どちらにするかは今後の分析と調整次第であろう。
3点目が季節性のコンテンツを投稿してみることである。
役所の行事や公務員試験の季節と絡めたコンテンツを提供することで、関連動画から流れ着いてくる視聴者の獲得につながり、流行に乗じたチャンネルの拡大が可能であると考える。
5,おわりに
とまあ、こんな感じで初めての分析をしてみました。如何でしたでしょうか。
イノウエさんにいきなり連絡を取ったにも関わらず「それなら分析なんてどうでしょうか」と快く提案を頂いたので、年内に1回は分析をしてみたくて作成しました。急ごしらえですが。
ご意見・ご感想いただければと思います。よろしくお願いいたします。
イノウエガクから
イノウエガクchをご覧になっていた視聴者さんから、公務員から転職できましたというお話をいただきました。よくよく話を聞いてみるとデジタルマーケティング関係の仕事ではありませんか。すごい。また詳しく話を聞いてみるとリサーチ関係の会社だそうで。
べけいたさんから「何かできることはありませんか」と話をいただいたので、お願いするなら彼の実績になるようなものを……ということで、こんなレポートを作っていただきました。YouTubeアナリティクスの規約上、すべては公開できないのですが、黒塗りしたレポートでも十分参考になるものかと思います。
何もかも初めてと聞いていたのですが、まさかここまでとは思っておらず。恐縮しているところです。
このレポートを元に2023年イノウエガクチャンネルを躍進させていこうと思います!べけいたさん、本当にありがとうございました!

北海道在住の元公務員です。
転職活動中にイノウエガクchと出会い、大いに勇気づけられ転職を成功させることが出来ました。
チャンネルの趣旨に共感し、自分と同じように迷える視聴者のために何かできることがないかと直談判、チャンネルの分析を任せてもらえることに。
好きなことは写真と食べること。
座右の銘は「守破離」です。